ベートーヴェン作曲「交響曲 第5番 ハ短調 作品67」について。

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェンについては、先日NHKのEテレ ” クラシックTV ” でパーヴォ・ヤルヴィ氏がNHK交響楽団を指揮をされている短い映像がありました。曲は「交響曲 第5番 ハ短調 作品67」、いわゆる「運命」だったのですが、冒頭から速いテンポで大変スリリングな展開、正直このような演奏は今まで聴いたことがなく実に衝撃でした。この曲のアナログ盤(カルロス・クライバー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団)は持っているので早速聴いてみたところ、まあ普通の速さというか、大オーケストラの醍醐味というか、おそらく他の指揮者も似たようなものであろうと。

ここはパーヴォ・ヤルヴィ氏指揮のCD盤を買わなくてはと思い、ヤフオクで購入し早速聴いてみました。Eテレでの演奏より多少遅めの演奏ですが、そういったテンポの速さとかそうゆうことではなく各パートの演奏者の方々の息づかい、表情がなんとなくですが見えてくる・・そんな演奏です。録音技術の進歩は当然あると思いますし、DSDレコーディング(ダイレクト・ストリーム・デジタル)による自然な ” 音 ” など技術的な面もさることながら、指揮者パーヴォ・ヤルヴィ氏のこの楽曲の解釈、そしてドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンのそれぞれの演奏者の皆さんの演奏技術の高さを感じられます。また、私が最初に聴いて一番感じたことは交響曲というより打楽器を加えた室内楽を聴いているように感じられたことです。

ライナーによるとパーヴォ・ヤルヴィ氏は現在世界で最も活躍している指揮者とのことです。エストニアのタリン生まれ、父親は有名な指揮者ネーメ・ヤルヴィ氏、1980年に渡米、カーティス音楽院に入学(レナード・バーンスタイン氏もここで学ばれました)し、2002年からシンシナティ交響楽団の音楽監督に就任などなど、世界の有名なオーケストラの音楽監督に就任されているようです。日本ではNHK交響楽団に客演されています。そして、オーケストラであるドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメンというオーケストラの名前は私は知りませんでした。ライナーより抜粋させていただくと、現在ヨーロッパで最も ” 精鋭的 ” な演奏活動を行っている自主運営の室内オーケストラとのことです。演奏技術的にはかなり優秀で、1983年の国連本部での演奏等で1987年にプロフェショナル化、1992年にドイツのブレーメンに本拠を移されたようです。そして、2004年からパーヴォ・ヤルヴィ氏が第2代の芸術監督に就任。ライナーの最後にこんな説明が載っています。「音量の極端な変化、輝かしい集中力のある弦楽器、木管の卓越した技倆、そしてオリジナル楽器を使ったトランペット、ティンパニによって、驚嘆すべきベートーヴェンの姿がわれわれの前に立ち表れた」と高い評価を得ているとのことです。

このCD盤を購入してから、ほぼ毎日聴いています。ベートーヴェンは正直それほど好きな作曲家ではありませんでしたが、このCD盤のおかげでベートーヴェンがすこし好きになりました。難しく考えずに気軽にこの交響曲を聴くことをお薦めします。発売元はBMG JAPAN、CD番号はBVCC-34186、SACDハイブリット盤になっております。ちなみに、この盤にはベートーヴェン 「交響曲 第1番 ハ長調 作品21」も収録されています。もともとあまり有名な曲ではありません?が、素人的にはモーツァルトが作曲したような印象です。