バイワイヤリング接続 視聴10〜19

スピーカーケーブル”Firebird Loudspeaker Cable Version.2”
バイワイヤリング接続方法について

バイワイヤリング接続
スピーカー側の入力端子が2系統(プラス側2個、マイナス側2個)の計4個の端子とアンプのスピーカー出力2系統(あるいは1系統)の端子を繫ぐ本格的な接続方法です。”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル”を2ペア使用します。アンプ側のスピーカーセレクトは”スピーカーA”、あるいは”スピーカーB”、そして”スピーカーA+スピーカーB”の3種の接続方法になります。

ただアンプの取り扱い説明書には”スピーカーA+スピーカーB”で接続する場合は、スピーカーのインピーダンス(※3)が、それぞれ8Ω以上のスピーカーをお使いくださいという説明が必ず明記されています。この”スピーカーA+スピーカーB”で接続した場合、インピーダンスが4Ωのスピーカーでは電気信号が8Ωに比べて多く流れ、スピーカーに負荷がかかりますので、4Ωの場合は1系統の接続(スピーカーAあるいはB)をお薦めします。

”スピーカーA”、”スピーカーB”それぞれ1系統で接続する場合は、それぞれのスピーカー出力端子にバナナプラグ、スペードプラグ(Yラグ)を同じ端子に繫いでください。また、アンプにスピーカーセレクトがない場合(真空管アンプ、高級パワーアンプなど)もアンプ側の出力端子のバナナプラグとスペードプラグを同じ端子につないでください。

また、スペードプラグ(Yラグ)を重ねて使用しますと不安定な状態の接続になり、はずれてしまう可能性があります。尚、スピーカー購入時に背面の端子にショートバー(ジャンパー)がセットされている場合は必ずはずしてください。スピーカー内部のネットワーク回路に不具合が発生する可能性がありますのでご注意ください。

※3スピーカーのインピーダンス・・・
スピーカー内部の回路を信号が流れる時の電気抵抗のことで、単位はΩ(オーム)で表示します。数値が大きいほど抵抗が大きく電気信号が流れにくくなり、逆に数値が小さいと電気信号が流れやすいことになります。

試聴ディスクの紹介

スピーカーケーブル”Firebird Loudspeaker Cable Version.2″および、ジャンパーケーブル”Firebird Jumper Cable”との各組み合せでそれぞれの音質について私なりのコメント(あくまで私の主観です)を紹介させていただく前に、以下試聴ディスクを紹介させていただきます。
●スピーカーケーブルは各タイプ2.5mのケーブルを使用しています。

ホルスト作曲/組曲”惑星”ジェームズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団・合唱団
クラシック音楽ファンの方であればご存知の方も多いと思います。オーディオ誌にも”優秀録音”として多く取り上げられ、1991年度レコード・アカデミー賞を受賞した「惑星」史上最高の音質を誇るCDだと思います。試聴のポイントは冒頭1曲目の”火星”の暴力的とも言える迫力、そして4曲目”木星”の叙情性、神秘的な美しさをどうスピーカーから再生できるかです。スピーカーにいかにきちんと電気信号を送るか、まさにポイントはここです。
クィーン/ボヘミアン・ラプソディ(映画”BOHEMIAN RHAPSODY”オリジナル・サウンドトラック)
この映画はご覧になった方は多いのではないでしょうか。映画後半、ロンドン/ウェンブリー・スタジアムでの「ライブ・エイド」のシーンはフレディ・マーキュリー本人ではないにしても感動的でした。後半の一連のシーンがなければこれほどヒットしなかったと思います。試聴ではこのスタジアムでの臨場感をいかに再生できるかをポイントにしました。
●”試聴19″では上記のCDに加え、アナログ盤を加えています。

レッド・ツェッペリン/永遠の詩「映画”THE SONG REMAINS SAME”サウンドトラック」・2枚組
年齢的に若い世代の方々はご存知かどうかはわかりませんが、ロックと言えば”レッド・ツェッペリン”です。英国のロックグループで、当時は人気、実力共No.1でした。そのツェッペリンが1973年にニューヨーク・マディソン・スクェア・ガーデンでライブをした時の録音です。ちょっと古い録音なので音質的にいまいちだとか、スタジオ・ワークでいろいろ手を加えたとか、まあそんなことは超越した”これぞライブの音!”を体感できるアナログ盤です。スピーカーケーブルが30cmウーファー(主に低域を担当するスピーカー)に電気信号をちゃんと伝えられるか、そこが勝負になります。

ポイント
◉スピーカーケーブル接続時は、レンジが狭く、多少高域寄りの硬い音に聴こえることもあるかもしれませんが、リスニングを続けると共にレンジも拡大し、バランスのとれた音質に変化していきますので、しばらく聴き続けていただきますようお願いします。

◉スピーカーをどこにどうセッティングするかオーディオ好きには悩ましいところですが、今回スピーカーケーブルとジャンパーケーブル、スピーカーの組み合せで試聴するに当たりイタリア製ですが比較的低価格の小型2ウェイスピーカー、少し高級な英国製小型2ウェイスピーカー、伝統ある米国ブランドの中型モニタースピーカーを使用しています。それぞれどうセッティングするかで相当悩みましたが、結局2種の小型2ウェイスピーカーは中型モニタースピーカーの為に自作したスピーカー台の上に置いて試聴しています。

バイワイヤリング接続時の音質についての検証

スピーカー 上級者用向けプリメインアンプ 中級者用向け単体パワーアンプ※4
スピーカーケーブルのタイプ スピーカーケーブルのタイプ
小型2ウェイスピーカー
●10cmコーンウーファー
●2.5cmチタンドームツィーター
(バイワイヤリングタイプ)
B/Bタイプ 2ペア
B/Bタイプ 2ペア
B/Sタイプ 2ペア
B/Sタイプ 2ペア
S/Sタイプ 2ペア
中型3ウェイ・モニタースピーカー
●30cmコーンウーファー
●12.5cm合金インバーテッド ドームミッドレンジ
● 2.5cmドームツィーター
(バイワイヤリングタイプ)
B/Bタイプ 2ペア
B/Bタイプ 2ペア
B/Sタイプ 2ペア
B/Sタイプ 2ペア
S/Sタイプ 2ペア
※4 ”中級者向け単体パワーアンプ”のスピーカー出力端子はバナナプラグには対応していますが、多少古めの機種のため、スペードプラグ(Yラグ)には対応していないタイプのパワーアンプです。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 2ペア
●上級者向けプリメインアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

”試聴6”の接続方法である”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブルVer.2”(B/Bタイプ1ペア)+”ファイアーバード/ジャンパーケーブル”の組み合せからでる音と比べると音量が少し増えた印象です。このスピーカーケーブルの特徴である”実在感のある音”はそのままに、大迫力の”惑星”です。1曲目の”火星”や”木星”は小型スピーカーから出ている音ではなく、試聴5で感じたウーファーの口径の限界は感じません。重低音もそこそこ聴こえてきます。サイズ的には口径10cmのウーファーなので”重低音感”だとは思いますが・・・迫力が欲しい方はこの組み合せがお薦めです。また、この管弦楽曲の奥行き感、美しさについても不足はありません。他のクラシック音楽の中では”ストラヴィンスキー”、”マーラー”、”リヒャルト・シュトラウス”などのダイナミックな楽曲を再生するにはピッタリの組み合せです。やはりバイワイヤリング接続ならではのスピーカードライブ能力の高さを感じます。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”試聴6”に比べると、このCDも音が少し大きく聴こえます。と同時にライブコンサートの臨場感の”圧”を強く感じます。結果的に”音の実在感”もより強くなっている印象です。このことは、このケーブルのスピーカードライブ能力の高さと共に、各プラグと線材をハンダでしっかり固着した端末処理が音質に深く影響していると言わざるをえません。試聴していることを忘れてしまうほど”気持ちのいい音”なのでつい聞き入ってしまいます。

●スピーカーケーブル B/Sタイプ2ペア(2ペア共、アンプ側にバナナプラグをセット)
●上級者向けプリメインアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

スピーカー側の入力端子がスペードプラグ(Yラグ)に変わっただけなので、基本的に音質の”差”はほとんどありません。スペードプラグ(Yラグ)の方がバナナプラグより入出力端子に繫いだ時の端子との接触面積が多いので音質上有利という定説?はありますが、”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブルVer.2”(ジャンパーケーブルも同様)は各プラグの差をできるだけなくすコンセプトで制作しています。また、アンプ側にスペードプラグ(Yラグ)を、スピーカー側にバナナプラグをセットした場合も音質的な差異は感じられませんでした。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”惑星”同様、このCDについても基本的に低域の出方、音質、臨場感の差は感じられませんでしたので、B/Bタイプでも、B/Sタイプでもどちらを選んでも問題はないと思います。

●スピーカーケーブル S/Sタイプ2ペア
●上級者向けプリメインアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

B/Bタイプ、B/Sタイプとの音質の差についてですが、こちらについても音質の差はほとんど感じられませんでした。強いて言えば、S/Sタイプ2ペアの方が低域の出方がほんの少し強く出ている感じがします。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 2ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

”試聴9”の小型スピーカーを、中型3ウェイモニタースピーカーに変えての試聴になります。口径30cmウーファーから聴こえてくる低域はやはり威力が違うというかレベルが違います。小型スピーカーのウーファーから出ていた低域は結構びっくりのレベルでしたが、このモニタースピーカーは低域から中域までの音の出方に余裕があります。オーディオ的表現で言うところのピラミッドバランスが、聴いていて非常に心地良いです。高域のエッジが強すぎず大変聴き易い特徴があるこのモニタースピーカーを、このスピーカーケーブルは低域から高域まで自在にドライブしている印象です。大迫力で繊細な中域、聴き疲れしない高域・・・”実在感のある音”をより高いレベルで再生した”惑星”を聴くことができました。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”惑星”と同様に、30cmウーファーの威力を見せつけてくれます。ライブコンサートの臨場感の”圧”をより強く感じます。ボリュームを上げてみるとライブ会場にいるようです。このことは、このケーブルのスピーカードライブ能力の高さと共に、しつこいと思われるでしょうが、各プラグと線材をハンダでしっかり固着した端末処理とケーブルの構造が音質に深く影響していると言わざるをえません。

●スピーカーケーブル B/Sタイプ2ペア(アンプ側にバナナプラグをセット)
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

スピーカー側にスペードプラグ(Yラグ)をセッティングして試聴しています。基本的な音の出方は同じで余裕のある再生音を聴かせてくれます。”試聴10”のバイワイヤリング対応の小型スピーカー背面の入力端子は正直強度の点でいろいろ不満がありましたが(スペードプラグが繫げにくく、プラス端子とマイナス端子の間が狭く接触しそうになるなど、繫ぐのにひと苦労しました)、このモニタースピーカーの入力端子は設計に余裕がありスペードプラグを繫ぐ時も問題ありませんでした。そうゆう点ではB/Bタイプのスピーカーケーブルの方が使い勝手がいいかもしれません。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

音質的な傾向はB/Bタイプと同じですので、どちらのタイプでも問題はありません。共に、しつこいと思われるでしょうが、各プラグと線材をハンダでしっかり固着した端末処理とケーブルの構造が音質に深く影響していると言わざるをえません。

●スピーカーケーブル S/Sタイプ2ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

”試聴12”のスピーカーケーブルB/Bタイプ2ペアをS/Sタイプ2ペアに変えての試聴になります。やはり、余裕のある再生音を聴かせてくれます。B/BタイプやB/Sタイプとの音質の差はほとんどありません。ただ、敢えて違いがあるとすればB/Bタイプに較べ低域がほんの少し強く出ている感じはします。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

音質的な傾向はB/Bタイプよりほんの少し低域が強めの傾向があるかもということでいえばロック、ジャズ等を聴かれる方はこのS/Sタイプがお薦めです。あとはお手持ちのアンプにスペードプラグ(Yラグ)が繫げられるかがポイントになります。それと、しっかりした構造の端子かどうかも非常に大事な点です。また、多少古い時期に発売されたアンプの場合などはスペードプラグ(Yラグ)が繫げられない端子もありますので、アンプ背面のスピーカー出力端子をご確認いただくか、取り扱い説明書でご確認ください。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 2ペア
●中級者向け単体パワーアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

おとなしい雰囲気の音を出すパワーアンプで、個人的にはそうゆうところが大変気に入っているアンプに繫いでの試聴になります。”試聴10”の上級プリメインアンプの、多少中高域が強調された音に比べると大変聴き易い音質です。これはオーディオメーカーの音作りの違いでしょうか。”木星”に迫力はないのかというとそんなことはなく、ボリュームをちょっと上げれば大迫力の再生です。単体パワーアンプの底力だと思います。ガツンと出てこなくてはいけない”音”を苦もなく出す・・・このスピーカーケーブルはそうゆう音楽信号をきちんとスピーカーに伝えています。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

なにか安心して長い時間聴ける”ボヘミアン・ラプソディ”です。音に余裕があるというか、音が破綻しないというか、聴き易い再生音だからかでしょうか。上記の”惑星”の中でも触れていますが、ガツンと低域が出てほしいライブコンサートの臨場感は大変素晴らしいものです。そして、ライブコンサートの”圧”も小型スピーカーながらしっかりと感じます。

●スピーカーケーブル B/Sタイプ2ペア(アンプ側にバナナプラグをセット)
●中級者向け単体パワーアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

スピーカー側にスペードプラグ(Yラグ)をセットして試聴しました。基本的な音質は”試聴16”のコメントを参照していただきたいと思います。音質の差はありませんが、一点言い忘れたことがあります。B/Bタイプ、S/Sタイプ両方に当てはまることですが、音に”しなやかさ”を感じます。バイワイヤリング接続によって、音楽信号が増えた影響なのかどうかはわかりません。このパワーアンプのキャラクターかもしれません。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

こちらの方も”試聴16”のコメントを参照していただきたいと思います。音質的な差はありません。B/Bタイプか、S/Sタイプか、どちらを選んでいただいてもご満足いただけるものと思います。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ2ペア
●中級者向け単体パワーアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

当たり前ですが、30cmウーファーの低域再生は”試聴16”の小型スピーカーの低域と比べるとさすがに余裕があります。”木星”のスケール感を見事に再生します。弦の美しい響きも中域を担当するミッドレンジスピーカーが包み込むように奏でています。低域から中域、高域までこの2ペアの”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル Ver.2”がしっかりとコントロールしています。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

このライブコンサートの臨場感を本格的に再生してくれます。”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル Ver.2”が30cmウーファーをコントロールしているこのパワーアンプのドライブ能力を余す事なくスピーカーに送り込んでいる・・・そんな感じです。

●スピーカーケーブル B/Sタイプ2ペア(アンプ側にバナナプラグをセット)
●中級者向け単体パワーアンプ(スピーカーセレクトはA+Bで試聴)
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ))

ホルスト/惑星

”試聴18”の組み合せとほとんど同じ音です。単体パワーアンプの場合はバナナプラグとスペードプラグ(Yラグ)の形状の差による音質の違いはないみたいです。本当に気持ちの良い音が心地よいです。ピアノ協奏曲や交響曲などいろいろ聴きたくなる組み合せです。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”試聴18”のコメントを参照していただければと思います。ジャズとかもどんどん聴いてみたい組み合せです。

レッド・ツェッペリン/永遠の詩 2枚組LPレコード

B/Sタイプ2ペアが、この公式ライブ・アナログ盤の緊張感をはらんだ熱気をスピーカーに伝えています。時に暴力的ともいえるドラムス、ベースギター、そしてジミー・ペイジの卓越したリードギターの超絶テクニック、ロバート・プラントの突き抜ける凄まじいボーカルなどまさにスピーカーを支配しています。特にLP1枚目のA面2曲目”祭典の日”の超迫力サウンド、そしてLP2枚目のB面2曲目”天国への階段”のジミー・ペイジのギターには泣けます。”実在感のある音”という点ではデジタルよりアナログ盤の方がより感じられる気がします。折角なので、スピーカーケーブルをB/Bタイプ2ペアにもう一度つないで試聴しました。結果はB/Sタイプと同じ大迫力のツェッペリンだったことをご報告しておきます。

アンプの種類(プリメインアンプ視聴1〜15・セパレートアンプ視聴16〜19)イメージ図
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