シングルワイヤリング接続+ジャンパーケーブル接続 視聴4〜9

スピーカーケーブル”Firebird Loudspeaker Cable Version.2”および、
ジャンパーケーブル”Firebird Jumper Cable”の接続方法について

3タイプのスピーカーケーブルやジャンパーケーブルの説明をするにあたって、両方の端子がバナナプラグのタイプをB/Bタイプ、片方の端子がバナナプラグで、もう一方がスペードプラグ(Yラグ)をB/Sタイプ、両方の端子がスペードプラグ(Yラグ)の場合はS/Sタイプと表記させていただきます。また、アンプ側、スピーカー側共々各端子は最後まできっちりと差し込む、または締めてください。

シングルワイヤリング+ジャンパーケーブル接続

スピーカー側の入力端子が2系統(プラス側2個、マイナス側2個)の計4個の端子とアンプのスピーカー出力1系統で繫ぐ接続方法です。”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル”1ペアと”ファイアーバード/ジャンパーケーブル1ペア(4個入り)を使用します。アンプ側のスピーカーセレクトは”スピーカーA”、あるいは”スピーカーB”を選んでください。”スピーカーA+スピーカーB”にはしないでください。

また、この接続の場合はスピーカーご購入時に背面の端子にショートバー(ジャンパー)がセットされている場合は必ずはずしてください。異種素材が混在すると電気信号の乱れが発生し、音質に影響する恐れがあります。ここでは”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル”3種、”ファイアーバード/ジャンパーケーブル”3種の組み合わせになります。

試聴ディスクの紹介

スピーカーケーブル”Firebird Loudspeaker Cable Version.2″および、ジャンパーケーブル”Firebird Jumper Cable”との各組み合せでそれぞれの音質について私なりのコメント(あくまで私の主観です)を紹介させていただく前に、以下試聴ディスクを紹介させていただきます。
●スピーカーケーブルは各タイプ2.5mのケーブルを使用しています。

ホルスト作曲/組曲”惑星”ジェームズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団・合唱団

クラシック音楽ファンの方であればご存知の方も多いと思います。オーディオ誌にも”優秀録音”として多く取り上げられ、1991年度レコード・アカデミー賞を受賞した「惑星」史上最高の音質を誇るCDだと思います。試聴のポイントは冒頭1曲目の”火星”の暴力的とも言える迫力、そして4曲目”木星”の叙情性、神秘的な美しさをどうスピーカーから再生できるかです。スピーカーにいかにきちんと電気信号を送るか、まさにポイントはここです。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ(映画”BOHEMIAN RHAPSODY”オリジナル・サウンドトラック)
この映画はご覧になった方は多いのではないでしょうか。映画後半、ロンドン/ウェンブリー・スタジアムでの「ライブ・エイド」のシーンはフレディ・マーキュリー本人ではないにしても感動的でした。後半の一連のシーンがなければこれほどヒットしなかったと思います。試聴ではこのスタジアムでの臨場感をいかに再生できるかをポイントにしました。
●”試聴19″では上記のCDに加え、アナログ盤を加えています。

レッド・ツェッペリン/永遠の詩「映画”THE SONG REMAINS SAME”サウンドトラック」・2枚組

年齢的に若い世代の方々はご存知かどうかはわかりませんが、ロックと言えば”レッド・ツェッペリン”です。英国のロックグループで、当時は人気、実力共No.1でした。そのツェッペリンが1973年にニューヨーク・マディソン・スクェア・ガーデンでライブをした時の録音です。ちょっと古い録音なので音質的にいまいちだとか、スタジオ・ワークでいろいろ手を加えたとか、まあそんなことは超越した”これぞライブの音!”を体感できるアナログ盤です。スピーカーケーブルが30cmウーファー(主に低域を担当するスピーカー)に電気信号をちゃんと伝えられるか、そこが勝負になります。

ポイント

◉スピーカーケーブル接続時は、レンジが狭く、多少高域寄りの硬い音に聴こえることもあるかもしれませんが、リスニングを続けると共にレンジも拡大し、バランスのとれた音質に変化していきますので、しばらく聴き続けていただきますようお願いします。

◉スピーカーをどこにどうセッティングするかオーディオ好きには悩ましいところですが、今回スピーカーケーブルとジャンパーケーブル、スピーカーの組み合せで試聴するに当たりイタリア製ですが比較的低価格の小型2ウェイスピーカー、少し高級な英国製小型2ウェイスピーカー、伝統ある米国ブランドの中型モニタースピーカーを使用しています。それぞれどうセッティングするかで相当悩みましたが、結局2種の小型2ウェイスピーカーは中型モニタースピーカーの為に自作したスピーカー台の上に置いて試聴しています。

シングルワイヤリング+ジャンパーケーブル接続時の音質についての検証

スピーカー 初級者用向けプリメインアンプ 上級者用向けプリメインアンプ
スピーカーケーブルのタイプ ジャンパーケーブルのタイプ スピーカーケーブルのタイプ ジャンパーケーブルのタイプ
小型2ウェイスピーカー
●10cmコーンウーファー
●2.5cmチタンドームツィーター
(バイワイヤリングタイプ)
B/Bタイプ+B/Sタイプ
B/Bタイプ+S/Sタイプ※1
S/Sタイプ+B/Bタイプ
中型3ウェイ・モニタースピーカー
●30cmコーンウーファー
●12.5cm合金インバーテッド ドームミッドレンジ
● 2.5cmドームツィーター
(バイワイヤリングタイプ)
スピーカー価格(1ペア定価¥360,000)に対して、アンプの価格(定価¥38,000)のバランスが取れないので試聴しておりません。 B/Bタイプ+S/Sタイプ
B/Sタイプ ※2+B/Bタイプ※3
S/Sタイプ+B/Bタイプ

※1 S/Sタイプ以外にもB/Sタイプも接続できます。
※2 アンプ側のスピーカー端子にバナナプラグをセットした場合です。
※3 B/Bタイプ以外にもB/Sタイプも接続できます。

スピーカー出力はAのみ視聴4の接続イメージ

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 1ペア(スピーカーセレクトはAで試聴)
●ジャンパーケーブル B/Sタイプ1ペア
●初級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

この組み合せで感じたことは、プリメインアンプとスピーカーの相性が良くなかったことです。価格差でいうとプリメインアンプの価格がこのスピーカー(バイワイヤリングタイプ)の約4分の1になります。オーディオ的な定説で言えばスピーカーペアの価格の3倍から4倍の金額をアンプに・・こう言うオーディオ評論家の方もいます。要はアンプは大事ということだと思うのですが、”試聴1”の組み合せでは、なかなかの音を聴かせてくれたのが、このプリメインアンプだったのでちょっと残念な結果になりました。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

上記”惑星”のコメントでもあるように、やはり相性の悪さを感じます。なめらかな音ではありません。なにか音が割れているように聴こえます。どうしてこんな音になるのか不思議です。音質についてはそこそこ期待していましたが。こうゆうところがオーディオの難しいところです。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 1ペア(スピーカーセレクトはAで試聴)
●ジャンパーケーブル S/Sタイプ1ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブルVer.2”の特徴である”実在感のある音”を感じます。1曲目の”火星”は小型スピーカーとは思えない迫力がありました。4曲目の”木星”のスケール感は十分に感じられますが、ウーファー(主に低域を担当するスピーカー)の口径の限界なのか、重低音を期待するのはやはり少し厳しいです。しかしながらこの接続方法から出る音は、迫力とかスケール感はもちろんありますが、なにか”しなやかさ”を感じます。シングルワイヤリング+ジャンパーケーブルの接続方法はクラシック音楽に向いているのかもしれません。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

試聴CDの紹介の中でも触れていますが、このライブコンサートの雰囲気を再生するためには聴衆が反応する声や会場の臨場感は非常に大事なポイントです。この接続で感じことは音の”実在感”です。手前味噌になってしまい大変申し訳ないのですが、やはり各プラグと線材をハンダで固着した端末処理が音質に深く関係していると思います。

●スピーカーケーブル S/Sタイプ 1ペア(スピーカーセレクトはAで試聴)
●ジャンパーケーブル B/Bタイプ1ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 小型2ウェイスピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

”試聴5”の音の出方とほぼ同じですが、スピーカーケーブルがスペードプラグ(Yラグ)タイプだからなのか、なんとなくですが”試聴5”で使用しているB/Bタイプに比べて低域がほんの少しですが強めに出ている印象です。この音は”試聴12”の再生音にひけをとりません。元々”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル Ver.2”は4芯撚り構造(プラス2本、マイナス2本)ですので一般的な2芯(プラス1本、マイナス1本)構造の2倍ある少々贅沢なスピーカーケーブルです。そうゆう構造的なところもバイワイヤリング接続との音質の差をあまり感じないことに繋がっているのかもしれません。クラシックからロック、ジャズまでの幅広いジャンルに対応する組み合せだと思います。バイワイヤリング接続にこだわることもないかなという感じです。ただ、初心者用アンプにはスペードプラグ(Yラグ)に対応した出力端子がない可能性があります。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”試聴12”で聴いたバイワイヤリング接続の音とほとんど同じです。ライブコンサートのシーンの臨場感の”圧”もしっかりと感じます。スピーカードライブ能力も高いので、バイワイヤリング対応の小型2ウェイスピーカー、中型3ウェイスピーカーなど汎用性の高い組み合せだと思います。

●スピーカーケーブル B/Bタイプ 1ペア(スピーカーセレクトはAで試聴)
●ジャンパーケーブル S/Sタイプ1ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

試聴の順が前後してしまいますが、”試聴14”の後にこの組み合せで試聴しました。結論を先に言ってしまうと、”試聴14”の音の出方はほとんど同じです。バイワイヤリング接続の方がスケール感等で多少勝っているだろうと思っていましたので、これには少々驚いています。元々”ファイアーバード/ラウドスピーカーケーブル Ver.2”は4芯撚り構造(プラス2本、マイナス2本)ですので一般的な2芯(プラス1本、マイナス1本)構造の2倍ある少々贅沢なスピーカーケーブルです。そうゆう構造的なところもバイワイヤリング接続との音質の差を感じないことに繋がっているのかもしれません。低域から中域までの音の出方に余裕がある点も、そしてピラミッドバランスの点においても、バイワイヤリング接続に比べて遜色はありません。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

上記の”惑星”と同様に、”試聴14”で聴いたバイワイヤリング接続の音とほとんど同じです。ライブコンサートの臨場感も同様の”圧”をしっかりと感じます。スピーカードライブ能力も同じです。

●スピーカーケーブル B/Sタイプ 1ペア (アンプ側のスピーカー端子にバナナプラグをセットした場合)
●ジャンパーケーブル B/Bタイプ1ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

音質的には”試聴6”で使用した組み合せと同じ音質ですので、そこでの検証コメントをご参考にしていただければと思います。各プラグによる音質の差をなくすコンセプトで制作しておりますので、この結果は妥当なところです。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

上記の”惑星”と同様に、”試聴6”の音質検証のコメントを参考にしてください。

●スピーカーケーブル S/Sタイプ 1ペア
●ジャンパーケーブル B/Bタイプ1ペア
●上級者向けプリメインアンプ
●スピーカー 中型3ウェイ・モニタースピーカー(バイワイヤリングタイプ)

ホルスト/惑星

音質的には”試聴6”で使用した組み合せとほぼ同じ音質ですが、スピーカーケーブルがS/Sタイプということもあり、低域の出方がB/Bタイプよりほんの少し強めに出ているかなという感じがします。ただ、これはあくまで私の主観です。

クィーン/ボヘミアン・ラプソディ

”試聴6”の音質の検証のコメントを参考にしていただければと思いますが、上記の”惑星”の音質についてのコメントにもあるように、低域の出方がB/Bタイプよりほんの少し強めに出ていることが影響しているのかライブコンサートの”圧”を少し強く感じました。

アンプの種類(プリメインアンプ視聴1〜15・セパレートアンプ視聴16〜19)イメージ図
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