X JAPANのアルバム ” Jealousy(ジェラシー)” の強烈な印象はやはりというか後を引きます。知らない内に ” Silent Jealousy ” のメロディを口ずさんいたり・・・それに較べてベートーヴェンのチェロソナタの演奏は2人きり、迫力的にはX JAPANには叶いません。もちろんチェロソナタに迫力を期待するのは間違っています。しかしながらベートーヴェンのチェロソナタのCD盤から聴ける二人の天才的演奏を聴けばこのCD盤も聴きごたえがあります。2人だけの演奏なのにこの充実感は何?そんなCD盤です。
まずはチェロのミッシャ・マイスキー氏・・旧ソビエト連邦リガに生まれ、モスクワ音楽院に学び、ロストロボーヴィッチに師事、しかしユダヤ人だったために反体制活動家の汚名を着せられ2年間の獄中生活を余儀なくされますが、狂人を装って獄中から解放されイスラエルに移住、西側での活動を開始、1973年にカサド国際コンクールで優勝、その後指揮者ルドルフ・ゼルキンに見いだされマールボロ音楽祭に出演するなど、瞬く間に名声を勝ち取る、今回共演したマルタ・アルゲリッチとはしばしば共演し録音活動を行っているとのこと・・・なんとドラマチックな生き方でしょうか!カサド音楽際やマールボロ音楽祭の名前は私は聞いたことはありませんがそれなりに有名な音楽祭なんでしょうね。以上の情報はライナー、出谷啓氏著「クラシック/CDで聴く名曲・名盤」より
かたや、マルタ・アルゲリッチ氏・・1941年にアルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ、1955年にヨーロッパに渡り、ミケランジェリ等に師事1965年にショパン・ピアノコンクールで優勝しその名を轟かせる、日本の浜松で開催される「浜松国際ピアノコンクール」の特別審査員をされたこともあります。大変優秀なピアニストなのですが、非常に気の強い方で1980年の第10回ショパン国際ピアノコンクールでの審査員を辞退する事件は有名です。詳しくはウィキペディアを参照。
このCD盤ではマイスキー氏のチェロを完璧に引き立てておられるアルゲリッチ氏にはただただ唖然とするほど素晴らしい伴奏ですが、聴き込むうちにどちらが主役かわからなくなる、そんな演奏です。しかしながら聴いていて疲れる演奏ではなくお二人共なにか楽しんでおられる印象を受けます。お互い相性がいいのでしょうね。
曲目は「チェロ・ソナタ 第3番 イ長調 作品69」、「チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 作品102の1、「チェロ・ソナタ 第5番 ニ長調 作品102の2」、「マカベウスのユダの主題による12の変奏曲」、レーベルはドイツ・グラムフォン、CD番号はPOCG-1700です。
マルタ・アルゲリッチ氏と言えば、ショパンの「ピアノ協奏曲・第1番 ホ短調 作品11」の2回目のレコーディング(1967年のドイツ・グラムフォンとの専属契約の後に録音されたもの)が収められたCD盤(私の好きな紙ジャケ)がお薦めです。かなり早めの演奏でアルゲリッチ氏の神業的テクニックが堪能できます。指揮はクラウディオ・アバド、バックオーケストラはロンドン交響楽団です。尚、この盤にはリストの「ピアノ協奏曲・第1番 変ホ長調」も収められており、ショパンとリストという2人の作曲家の代表的なピアノ協奏曲が楽しめるという点で持っていて損はないと思います。レーベルはドイツ・グラムフォン、CD番号はUCCG-9515です。ただ、1968年に録音されたものなので正直、音的には若干の不満はあります。しかし、それ以上にアルゲリッチ氏の若さ故の瑞々しい感性、勢いが感じられると共に、2つのピアノ協奏曲を完璧な技巧で弾きまくっているアルゲリッチ氏の凄みを感じられます。






