モーツァルト「ピアノ協奏曲 第15番」について2枚のアナログ盤を比較させていただきます。

正直、モーツァルトのアナログ盤やCDは数枚しか所有しておりません。昔は、CD盤の歌劇「フィガロの結婚」をよく聴きました。もちろんメロディメーカーとしては天才作曲家であったことは間違いありませんが、交響曲について言えば、ちょっと”しつこい”ところが鼻につきます。偉そうですみません。ただピアノ協奏曲では、大袈裟かもしれませんが、”天上の音楽”と言って差し支えないと個人的には思っています。まあ、少しずつ涼しくなってきたのでショパンの方が聴くのにはぴったりだと思いますが、それでも、朝にコーヒーでも飲みながら聴きたい曲として、モーツァルトのピアノ協奏曲はふさわしいと思います。という訳で、モーツァルトの「ピアノ協奏曲 第15番 変ロ長調(ケッヘル 450)」を2枚のアナログ盤で、クラシック音楽の評論家ではない私が感じたことを述べてみます。2枚のアナログ盤にたまたま共通しているのですが、ピアノ演奏と指揮を兼ねたものです。

○ウラジミール・アシュケナージ指揮、ピアノ/フィル・ハーモニア管弦楽団・・・このアナログ盤は1980年頃にデジタル録音されたものです。アシュケナージ氏は第5回ショパン国際ピアノコンクールで2位でしたが、アルトゥーロ・ミケランジェリという有名なピアニストで審査員が、アシュケナージ氏の2位に対して異議を唱え、審査員をボイコットしたそうです。この時の1位はポーランドのピアニスト、アダム・ハラシェビッチでしたけれども、コンクール後はアシュケナージ氏がはるかに活躍されているみたいです。さて、このアシュナージ盤の素晴らしさは、ピアニストとしての技量はさることながら、録音のセンスの素晴らしさに尽きます。プロデューサーあるいは録音エンジニアが優秀だったのかどうかはわかりませんが、音質がとにかく素晴らしく、ピアノに対しての録音マイクの位置など計算されつくしたセンスの良さを感じます。

○レナード・バーンスタイン指揮、ピアノ/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団・・・一方、バーンスタイン盤の帯(タスキ)には「英国デッカ・カッティング、ドイツPallas社プレス、超重量レコード(180g)」という謳い文句の他に、「レコード芸術・推薦」、その他「2.000枚限定プレス」の文字もあります。大変期待して購入し、ワクワクしながら聴いたところ、期待はちょっと裏切られました。バーンスタイン氏は自分ではピアノが得意だと思っているのかもしれませんが、ショパンコンクールで2位とはいえ、超一流のピアニストであるアシュケナージ氏と比べるとやはり技量的に劣るのかなと・・・。ここは有名なピアニストとタッグを組んで、指揮に専念すべきだったと思います。レナード・バーンスタイン&ウィーンフィルというネームバリューだけ?で企画したのが間違いの元だったのでしょう。またまた偉そうなことを言ってすみません。る

とにかく、結論を言いますと、アシュケナージ盤の圧勝ではないかと強く思った次第です。このアナログ盤を是非聴いていただきたい。因に、レコード番号は”L28C-1755 ”レーベルはLONDONです。CD盤の規格番号  F35L50159 になります。この規格番号を調べている時に新たな発見をしました。このアシュケナージ盤は「レコード芸術・特選」とのことです。道理で音がいい!

最近私は部屋を綺麗にすべく、レコード棚の整理を行っていてほとんど聴く事がないレコードは整理しようとしております。このアシュケナージ盤については、こんなアナログ盤持ってたっけ状態だったのですが、とりあえず聴いてみようと・・・スピーカーは JBL  4312  CONTROL  MONITOR です。クラシック音楽の再生といえばタンノイあたりが有名ですが、このモニタースピーカーで聴くクラシックも結構いい感じです。スピーカーケーブルは”ファイアーバード・ラウドスピーカーケーブルB/Bタイプをバイワイヤリング接続をしています。このスピーカーケーブルのせいかどうかはなんとも言えませんが、アシュケナージ盤の録音の素晴らしさを再発見させてくれました。