今から20年くらい前の話ですが、” TELARC [テラーク] ”レーベルのCDを見つけたら、出来るだけ購入していた時期がありました。街中にはまだCDショップがあった時代です。理由は ” 録音が良く、音がいいから” ですが、たぶん40年くらい前に購入した ”チャイコフスキー交響曲 第4番 ”のアナログ盤がたまたまテラークレーベルだったことが影響してこのレーベルが大変気に入ったからです。前回のブログでご紹介した”ホルスト/組曲/惑星”を皮切りに、所有しているテラークのCD盤を聴きまくっています。そういえば買ったな・・ということで、フランスの作曲家サン・サーンス 交響曲 第3番 ハ短調 作品78(オルガン付)ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団 ”を久しぶりに聴きました。こんなに ”ホールの響きが綺麗だったんだ ”とか ”オルガンの大迫力がスゴイぞ ” 等々, 新しい発見と驚きの連続であります。CD番号はUCCT-4007 (CD-80051)です。
この交響曲は1980年 アメリカ合衆国 フィラデルフィア、聖フランシス教会で録音されたものです。1907年に建立されたこの教会はトルコ イスタンブールにあるソフィア大聖堂を模した教会で、この会堂の正面に配置された壮麗なオルガンの前にオーケストラを配置し、ショップス(マイクロフォンメーカー?)の無指向性マイクロフォンをテラーク独自のシンプルなアレンジでセットされたらしいです。(高橋康夫氏解説のライナーより)実際テラーク独自のシンプルなマイクロフォンの配置は他のCDでも踏襲されています。作曲家であるサン・サーンスはパリ音楽院でオルガンを習得し、以後マドレーヌ寺院のオルガニストとして世界的な名声を博した方で、交響曲にオルガンを用いる発想はオルガニストであることが関係しているのでしょう。(こちらも高橋康夫氏解説のライナーより)このオルガン付交響曲の録音は大変困難で、規模の大きいオルガンが必要不可欠な条件だということです。テラークの技術陣はいろいろ研究し、準備万端で録音に臨まれたであろうと想像します。
指揮者のユージン・オーマンディは1899年ブダペストに、渡米後の1931年、病気となった、あのトスカニーニの代役としてフィラデルフィア管弦楽団を指揮し成功を収めました。その後、1935年にフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に抜擢され、以来40年にわたってこのオーケストラを指揮し、フィラデルフィア・サウンドと呼ばれる華麗で完璧なアンサンブルで聴衆を魅了しつづけました。なお、最初はたった2人でスタートした” TELARC(テラーク)”レーベルについてはネットで検索していただけるとうれしいです。クラシック以外にも、ジャック・ルーシェが弾くバッハなどジャズのCDもでています。
サン・サーンス”交響曲 第3番(オルガン付)オーマンディ盤”以外のものとしては、ロンドンレーベル(イギリス デッカ)からシャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団のCD盤もあります。カナダの交響楽団ですが、フランス以上にフランス的な演奏で有名でサウンド的にも洗練されたものです。CD 番号はPOCL5032になります。デュトワ氏もフランス人指揮者で、昔、日本のN饗にも客演されていました。