スペインの作曲家、アルベニス「スペイン組曲(ブルゴス編)」の音場感は素晴らしいです!

前のブログでスペインの作曲家、ファリャ「バレエ音楽・三角帽子」、「恋は魔術師」とセットになったCD盤は隠れた名盤なのではないかとお伝えしましたが、スペインの作曲家として有名なアルベニスを忘れてはいけないのではということで、今回はアナログ盤の「スペイン組曲(ブルゴス編)」についてです。ブルゴスというのは指揮者でラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス氏のことでこの方なりの解釈に基づいたスペイン組曲ということになると勝手に思っています。ジャケット裏面の写真を見ていただければおわかりのように、スペインの各地域カスティリア、アラゴン、セヴィリア、グラナダ等をテーマにした楽曲だと私は理解しております。アルベニスは若い頃にスペイン国内をあちらこちらを放浪していたみたいです。

このアナログ盤は英国DECCA盤で名録音エンジニアであるケネス・ウィルキンソン氏よるロンドン・キングスウェイホールでの録音です。演奏はニュー・フィルハーモニー管弦楽団で、名録音と呼ばれるだけあってDECCA盤らしい音場の広がりを感じることができます。なお、CD盤では高音質CDである”XRCD”盤も発売されているようです。わたしは所有していませんのでCD番号はわかりません。

私はスペインには行ったことはありませんが、アルベニスの「スペイン組曲」のアナログ盤(もちろんファリャも)を聴くとなんとなくスペインに行ったような気分、空気感を感じます。西洋音楽史でいうと”後期ロマン派”と呼ばれる時代になりますが、同時代の作曲家としてR・シュトラウス、マーラー、プッチーニ、ドビュッシー、ラベル、E・サティ、ラフマニノフ、スクリャービン、同じスペインからグラナドス、ファリャ、そして多少時代が過ぎてストヴィンスキー、バルトークあたりが登場します。文学者で西洋音楽に造詣の深い岡田暁生氏著の”西洋音楽史/クラシックの黄昏”(中公新書)の中で仰っておりますが、「1883年のワーグナー没後あたりから1914年の第一次世界大戦勃発のわずか30年ばかりの間、音楽史上ここまでエキサイティングな時代(エポック)を私は他に知らない。(中略)まったく作曲家の名前を列挙するだけで目が眩みそうな、途方もなく豊穣な数十年ではないか」と・・・。確かに凄いメンバーですよね。そして当たり前でしょうけど、それぞれ非常に個性的です。岡田氏も言われていますが、現在クラシックコンサートで演奏される曲目のほとんどがこの時代に作曲されたものだと。