アンタル・ドラティ指揮/ストラヴィンスキー「春の祭典」のアナログ盤の大迫力!!

1913年にパリ・シャンゼリゼ劇場で行われたストラヴィンスキー作曲「春の祭典」の初演(ピエール・モントゥー指揮)における騒動は、今日ではもはや伝説になっているようです。クラシック音楽に詳しい方はご存知かと思いますが、このシャンゼリゼ劇場での”事件”は、例えばボブ・ディランのロンドン、ロイヤルアルバートホールでの公演を収めた音源を編集したCDのライナーに紹介されております。なにか”革新的な出来事”、”新しい時代が始まる時?”ということを伝えるためのツールとして。

ストラヴィンスキー「春の祭典」(以下ハルサイとします)のアナログ盤を初めて聴いたのは私が中学生2年生の時です。感想としては、正直なんだかうるさいだけの騒々しい曲だな・・でした。指揮者とオーケストラの名前は忘れましたが。当時、私は吹奏楽部に入っていたのですが、先輩達が「ハルサイ」は凄いぞ!と騒ぎまくっていたのを思い出します。

今回、アンタル・ドラティ指揮/デトロイト交響楽団演奏のアナログ盤とCD盤を聴き比べてみました。プリメインアンプYAMAHA  A-S2000をコントロールアンプにして、Ortofon  EQA-555 mk2(フォノアンプ)を接続、パワーアンプはTechnics  SE-A3000 ver3.0、CDプレイヤーはYAMAHA  CD-S2000、スピーカーケーブルはFIREBIRD・ラウドスピーカーケーブル1ペア(6.5m)+FIREBIRD・ジャンパーケーブルB/Sタイプ、スピーカーはバイワイヤリング対応のJBL  Model 4319 コントロールモニターで試聴しています。大体普段はこのシステムですが、気分を変えて小型スピーカー(英国セレッション A Compact)を使うこともあります。アナログプレイヤーはTechnics  SL1200 mk4で、カートリッジはOrtofon  MC20を装着しています。オーディオマニアの方々からすると全然たいした機器ではないなと文句がきそうですがそこは何卒ご容赦ください。

大太鼓の出方がアナログ盤の方がしっかり出ているせいか、迫力の点ではアナログ盤が優れていると思います。大太鼓がしっかり出ていることはこの曲目に大きな影響があるので。CD盤の方は綺麗な音質と、同じバレエ音楽「ペトリューシュカ」が収められている点でお徳感があります。もちろんCD盤が低域が不足している訳ではありませんが、アナログ盤のずしんとくる低域は魅力的です。尚、このハルサイの指揮者、演奏はドラティ盤以外に数種類所有していますけれども、リズムの処理、録音の良さの点でドラティ盤は傑出していると確信しております。レーベルはLondon(DECCA)、レコード番号はL28C1110、CD番号はPOCL-5041になります。ちなみに他のCD盤もご紹介しておきます。サイモン・ラトル指揮/バーミンガム市交響楽団のCDも魅力的ですが、ハルサイの持つ激しい曲調がちょっと弱いのがネックです。ただ、「ペトリューシュカ」が収められているのでこちらもお徳感があります。レーベルはEMI CLASSICS CD番号はTOCE-55504です。ピエール・ブーレーズ指揮/クリーブランド管弦楽団のCDはオーディオ雑誌の優秀盤に何度も登場した有名なCDですが、きちんとしすぎがハルサイらしくないというか・・。レーベルはドイツ・グラムフォン、CD番号はPOCG-1611(小さい数字で435 769-2)です。私の大好きなテラークレーベルのロリン・マゼール指揮/クリーブランド管弦楽団のハルサイはドラティ盤の次に好きな盤です。野性味あふれる大太鼓の激しい音がハルサイらしくて気持ちいいです。シャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団CDは録音が良くホールの響きもいいのですが、ちょっと上品というか・・レーベルはロンドン(DECCA)、CD番号はPOCL-5253になります。以上の感想ですが、私が現在所有しているものとの比較であることをご承知置きください。