アルバムジャケットの牛の写真が特徴的なイギリスのロックグープ、PINK FKOYDの「ATOM HEART MOTHER(邦題:原子心母」を検索すると、いろんな方々(ロック評論家の方など)のコメントが出てくると思いますが、私なりにこのアルバムの ” 音 ”の佇まいについて語るとすれば、刺激的な音がほとんどしないのです。アナログ盤とCD盤(紙ジャケ盤)の両方を聴いてみました。アナログ盤(ORIGINAL MASTER RECORDING シリーズ)の音の質感は、ご理解いただけるかわかりませんが、金属で例えると ” 鉛 ” のような質感の音で、そしてなんとなくだるい音です。CD盤の音はもう少しきちっとしていて多少刺激的かなという感じですか。どちらの盤が好きかと聞かれたら私は間違いなくアナログ盤の方が好きだと答えます。アナログ盤のこのアルバムはこんな ” いい音 ” ?だったっけ?です。とにかく”カチッとした音 ” じゃないところがまたいいんですよね・・・今から53年前の1970年にリリースされたのでアナログ録音だと思いますが、53年前に発表されたとは思えないほど、古さを感じさせない音世界なのです。B面の5曲目 ” Alan’s Psychedelic Breakfast ” (アランのサイケデリック・ブレックファスト)はほとんど現代音楽に通ずるサウンドで、冷蔵庫のドアを開けて冷えたビール?あるいは牛乳?の瓶が擦れた音、なにか朝食をガツガツ食べている音等々、非常に実験的です。