前回はロンドン交響楽団を指揮をしたジョージ・セル指揮「ヘンデル作曲/水上の音楽」についてでした。今回はやはり指揮者ジョージ・セル氏が鍛え上げ、アメリカ合衆国が生んだ世界的オーケストラであるクリーブランド管弦楽団のアナログ盤を取り上げたいと思います。徹底的に鍛え上げたアンサンブルといわれている演奏ですが、弦楽器の音の響きが非常に美しく綺麗なのです。力任せの演奏ではなく計算されつくした構成力の賜物というか・・・ただ、これはあくまで個人的感想です。オーケストラのお国柄はやはり出るものだと思っていて、英国の誇るロンドン交響楽団をジョージ・セル氏がタクトを振った「ヘンデル/水上の音楽」も音の骨格がしっかりしており捨てがたい魅力に溢れています。
A面は、ハンガリー出身の作曲家、ゾルタン・コダーイ「ハーリ・ヤーノシュ組曲」が収められています。ちょっと不思議な曲目で、日本の ” 琴 ” に音色が近いツィンバロンという弦楽器が効果的に使われていてなんとも不思議な魅力です。かなり前になりますが、このブログで過去取り上げた曲目で、そのときはイシュトヴァン・ケルテス指揮/ロンドン交響楽団でした。クリーブランド管弦楽団とロンドン交響楽団の違いは私のような素人の耳で判断させてもらえば、前述の弦楽器の音の響きの違いではないかと感じています。B面に収録されているプロコフィエフ作曲「キージェ中尉」ですが、この曲目も以前、ブログでご紹介させていただきました。尋常ではない大太鼓(バスドラム)の出方が特徴のアナログ盤で、指揮はクラウディオ・アバド、ベルリンフィルハーモニーでしたが、このジョージ・セル盤もしっかりと大太鼓は健在です。アバド盤ほどではありませんが。この曲目を聴くだけでもクリーブランド管弦楽団のアンサンブル、金管楽器、打楽器を自由に操っているジョージ・セルの実力が窺い知れます。レコードレーベルはCBS SONY、レコード番号は13AC 803になります。ただ一点残念なことは録音がイマイチなのです。ちゃんとした録音をしてほしかったかなと・・・偉そうですみません。CD盤でも発売されていると思います。以前、ネットで観た覚えがあります。CD盤の番号は不明で、レーベルはCBS SONYでアナログ盤と同じです。
「キージェ中尉」の作曲家プロコフィエフについてですが、やはりこの方は天才なのではないかとつくづく思います。交響曲では「古典交響曲」という曲目があります。モーツァルトが現代に生きていたらこんな感じの交響曲になるのでは、というコンセプトで作曲されたものらしいです。実際このCD盤は所有しており、聴けばなるほどねという気がしますし、世界の?子供達のために作曲された「ピーターと狼」のような時代を超えた管弦楽曲があり小学校の音楽に時間に先生が聴かせてくれた思い出があります。そして、ピアノ協奏曲なども今聴いても古さをまったく感じさせないものがり、非常にスリリングです。