J.S.バッハ/ミッシェル・コルボ指揮「クリスマス・オラトリオ」のアナログ盤について。

クリスマスの時期が近づいてまいりました。12月に入るとやはりJ.C.バッハの「クリスマス・オラトリオ」を聴く頻度が増えてきます。私はカソリックやプロテスタントなど所謂キリスト教の信者ではありません。かといって敬虔?な仏教徒でもありません。お葬式や法要の時に仏教に触れるくらいです。そうゆう私がJ.C.バッハの曲目を聴くときは、キリスト教のことを自分なりに勉強してみようかと考えるのです。J.C.バッハはプロテスタントの中の ”ルター派教会 ” (ルーテル教会)と呼ばれている宗派の信者です。歴史で習った宗教改革で有名なマルチン・ルターから名前が付けられた宗派?で全世界で7000万人の信者がいるとのことです。

さて、ミッシェル・コルボ指揮「クリスマス・オラトリオ」のアナログ盤(3枚組)です。アナログ盤の ” 音の佇まい ” がちゃんと感じられる録音です。こうゆう宗教的な曲目はアナログ盤で聴くとほっとします。宗教曲としての” 敬虔さ” を強く感じられるのです。2017年11月30日にアップしたブログでこの曲目を取り上げさせていただいた時の2人の指揮者、カール・リヒター氏とニコラス・アーノンクール氏の「クリスマス・オラトリオ」は両方共CD盤でした。アーノンクール指揮のものはデジタル録音なので、音の骨格、そして音の立体感、ホールの空気感や残響音などデジタル録音の生々しさがあり、現段階ではこのアーノンクール盤がCD盤ということもあり、取り扱いの簡便さも含め一番のお薦めではないかと。アーノンクール氏ですので当然ヴァイオリン等はオリジナル楽器です。

このコルボ盤は重苦しさがなく全体的に ” 明るさ ” があるように感じます。カール・リヒター盤も元はアナログ盤で発売されたものをCD化したものですのですが、残念ながら私はアナログ盤は持っておりません。リヒター盤については、おそらく録音年代は古く1960年〜70年くらいの間でしょうか。カール・リヒター氏はバッハの演奏をするためにこの世に生を受けたような方ですので、真摯さ、敬虔さ、そしてバッハに対して生真面目に取り組むという点では随一の存在だと思います。

私が「クリスマス・オラトリオ」の中で一番のお気に入りの曲は、このコルボ盤では2枚目のA面の第4部、新年のためのカンタータである ” ひれ伏せ、感謝もて ” の合唱の素晴らしさであります。また、コルボ盤でのテノールで福音史家を歌っているクルト・エクイルツが大変素晴らしい歌唱を聴かせます。指揮者ミッシェル・コルボ氏は1934年にスイスで生まれ、1961年にローザンヌ声楽アンサンブルを創設、ローザンヌ器楽アンサンブルなどと共に録音活動や演奏活動を行ってきた方です。一般的には合唱指揮者として、ルネサンスから近現代にいたるまでの宗教曲の専門家として有名。モンテヴェルディ、フォーレ、バッハの受難曲、ブラームスの”ドイツ・レクイエム”の録音などなど。2021年にお亡くなりになりました。

レコードレーベルはERATO(エラート)、デジタル録音みたいです。高音質レコード材使用の文字もあります。指揮はミシェル・コルボ、合唱はローザンヌ声楽アンサンブル、演奏はローザンヌ室内管弦楽団となっています。録音は1994年1月、スイス/ヴヴェイ・カジノ・ホール。レコード番号REL-23~25(NUM-75138~40)