プロコフィエフ「ピーターと狼」、サン・サーンス「動物の謝肉祭」についてです。

30年くらい前ですが、英国デッカ盤のクラシックアナログレコードをそこそこのペースで買い集めていました。以前紹介した ” バレエ音楽/ジゼル ” なんかもその頃に購入し、大太鼓の音に大いに感動したり、メンデルスゾーン ” フィンガルの洞窟 ” の彫りの深い音に感銘を受けたり、デッカの録音はすごいなといたく感心したものです。重量の重いタイプの盤で、一枚が当時4000円くらいだったように記憶しています。そこそこの出費でしたが、頑張って買っておいてよかったとつくづく思っています。

さて、私が小学生の頃に音楽室で先生が聴かせてくれた懐かしいクラシック音楽、「ピーターと狼」、そして「動物の謝肉祭」についてデッカのアナログ盤と、私の大好きな米国のCDレーベルであるTELARC(テラーク)のCD盤をご紹介いたします。まずはデッカ/アナログ盤の「交響的物語/ピーターと狼(作品67)」からご紹介します。天才プロコフィエフが子供達のために書いたこの傑作は今や世界中で最も親しまれ愛されている音楽物語の名作となっています。ナレーション(語り)は、カナダ生まれの英国の女優であるベアトリス・リリー、ピアノはジュリアス・カッチェン、スキッチ・ヘンダーソン指揮、ロンドン交響楽団です。ロンドン交響楽団以外は聴いた事がない方々ばかりです・・・まあ、それはさておき、私がこのレコードを購入したのはジャケットデザインがいたく気に入ったからでして。「ピーターと狼」がジャケットのA面とすると、後述する曲目「動物の謝肉祭」がB面に収められています。イラストの世界観はやはり日本のものではないというか、海外の絵本を見ているようです。アナログ盤を聴くと、音質は独特なデッカの音で、音に関してのお国柄の違いはやはりでるのかなと。そして、私は常々思っているのですが、CD盤を含め、ジャケットデザインから醸し出される世界観が音楽に深く影響すると確信していて、この「ピーターと狼」のジャケットデザインは、世界の子供達を夢中にさせているこの曲の楽しさを表していると思います。音楽自体は有名な楽曲なのでこれくらいにしておきます。ちなみにこのアナログ盤の中古をネットで検索したところ、7000円くらいでした・・結構な金額です。レコード番号は SXL 2218となっています。

次にフランス人作曲家、エミール・サン=サーンス作曲「組曲/動物の謝肉祭」です。こちらも「ピーターと狼」と同じ作家?のイラストで展開したジャケットになっています。この曲目はサン・サーンスの友人でチェリスト、レブークが催したプライベートな夜会で演奏するために作曲されたものらしく、サン=サーンスとパリ音楽院の教師ディエメがピアノを弾き、ルブークが、有名な ” 白鳥 ” を、そしてタファネル(この方もパリ音楽院の教師でしょうか?)がフルート・ソロとるなど、当時フランスの第一線クラスの音楽家が総出演したとのことです。各曲にはラモー、ベルリオーズ、オッフェンバック、ロッシーニといった他の作曲家の手になる旋律を引用フレーズとしてパロディ的に拝借しているおもしろい楽曲です。有名な優雅な小曲 ” 白鳥 ” はサン=サーンスのオリジナルでほとんど即興で作曲したものらしいことを何かの番組で紹介されていたと記憶しています。

「ピーターと狼」が収録されているCD盤では、アンドレ・プレヴィン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団がお薦めです。プレヴィン自身がナレーション(語り)も兼ねていて、プレヴィン氏はイギリス人ではないのですが、イギリス英語っぽく聴こえるのは私だけでしょうか?それとこのCD盤にはベンジャミン・ブリテン作曲「青少年のための管弦楽入門」作品34が収められています。この楽曲の副題は ” パーセルの主題による変奏曲とフーガ ” となっていて英国のテイストが感じられる魅力的な楽曲です。レーベルは前述のようにTELARC(テラーク)、CD番号  CD-80126です。1985年、ロンドン、ワトフォード・タウン・ホールでデジタル録音されたものです。