レッド・ツェッペリンの1stアルバムや2ndアルバムを聴いた後で、この「イエロー・サブマリン」を聴くと、ザ・ビートルズの音楽の世界観の違いをまざまざと感じます。ハードロックとポピュラーミュージックほどの違いです。大体から「イエロー・サブマリン」はアニメーション映画のサウンドトラック盤なんだからハードロックと違うのは当然でしょと言われそうです。ただ、この「イエロー・サブマリン」の世界観はザ・ビートルズの他のアルバムに比べると確かに特異なアルバムなのですが、やはりザ・ビートルズのアルバムなのだと強く思います。ストリングス(弦楽器)が効果的に使われているところは後年の ” レット・イット・ビー ” , ” ザ・ロング・アンド・ワインディングロード ” に通じるサウンドです。同じ英国のグループなのにレッド・ツェッペリンとザ・ビートルズのサウンドのあまりにも違う音世界・・・。
それはさておき、冒頭の ”イエロー・サブマリン ” はドラマー、リンゴ・スターがボーカルです(リンゴ・スター意外考えられません)。決して旨いボーカルではありませんけれども、妙に普遍性を感じるメロディにリンゴ・スターの声がよく合っていると思います。潜水艦の中の雰囲気なんだろうな(乗ったことはありませんが)という音や波の音など、メンバーが楽しんでいる様子が伝わってきます。ライナーの説明では録音スタッフや友人達も参加しているとのこと。そして、3曲目の ” オール・トゥゲザー・ナウ ” は私の子供達が公立中学生時、音楽の教科書に載っていて大変驚いた記憶があります。4曲目 ” ヘイ・ブルドッグ ” はロック調の曲でジョージ・ハリソンのギターが唸ります。やっと、ロックグループっぽくなってきました。6曲目は有名な ” 愛こそはすべて(オール・ユー・ニード・イズ・ラブ)”です。1965年6月25日に放送された世界初の世界同時衛星生中継番組『Our World』にイギリス代表として出演しました。私もこの番組は当時、家族全員で観た記憶があります。私の勝手な想像ですが、この曲はジョン・レノン主導で創られたのではないかと。普遍性という点で今でも通用する曲だと思います。7曲目(アナログ盤ではB面)からは映画に使用されている楽曲になります。ザ・ビートルズのマネージャーであるジョージ・マーティンが作曲、オーケストラのスコアを書いたとライナーには記されています。そういえば、 ”イン・マイ・ライフ ” という大変人気のある曲がありますが、間奏部のハープシコードはジョージ・マーティン氏が弾いているとなにかの記事で読んだことがあります。
そして、私がこの「イエロー・サブマリン」のアルバムで曲目は当然として大好きな点を挙げさせてもらうと、ジャケットデザインのアートワークの素晴らしさにあります。紙ジャケのCD盤はとても凝った造りになっていて、音質的にも大変音がクリアーで低い音もきちんと聴こえてきます。