アナログ盤を聴く時には、レコード針に着いた微小な糸ゴミをなるべく丁寧に、そして針を傷めないように慎重に除去してから聴くようにしています。実際、糸ゴミが針に絡みついた状態で聴いた時の音が割れた酷い音は大変なショックであります。スピーカーに原因があったらどうしよう・・です。ここらあたりがアナログ盤再生の面倒なところでもあり、綺麗になった針先でレコード盤を再生した時の音質の違いは何物にも代え難いものがあります。ちょっとオーバーですが。5月28日にこのブログにアップした「イーグルス・ベスト盤Vol.1」でも、針先に絡まった糸ゴミの悪影響に触れましたが、針先は常に綺麗な状態にしたいものです。一枚目の写真は接写レンズで針先を撮影したものです。もっとアップで撮りたかったのですが、これが限界です。十分綺麗にしたつもりでしたが、撮影してみると針先にゴミはありませんが、カンチレバー(針を固定する軽金属の棒のようなもの)にまだ糸ゴミが絡みついています。なかなかしつこいゴミです。カートリッジはオルトフォンMC-20です。
2枚目の写真は、先日お亡くなりになった指揮者、小澤征爾さん指揮、パリ管弦楽団のストラヴィンスキー作曲「火の鳥」のアナログ盤であります。1972年パリで録音されたこの盤は小澤征爾さんの優れた才能を世界のレコード・ファンに強く印象づけた一枚になっているとのことです。(ライナー/浅里公三氏による)フランスのオーケストラの形容句として ” 音の色彩感 ” が挙げられることが多いのですが、ご多分にもれずこの盤も至る所に ” 色彩感 ” が感じられる録音になっています。レコード針のクリーニングをして聴いてみたところ、びっくりしました!この盤はこんな素晴らしい録音だったっけ?とにかくA面が素晴らしく、情景描写の再現が素晴らしく小澤さんのセンスが光っているのですが、やはりフランスのオーケストラ独自の艶やかな ” 音 ”を感じます。またART(アビー・ロード・テクノロジー)シリーズのCD盤も所有しております(3枚目の写真)。CD盤の再生音と比較すると、確かにCD盤は綺麗な音で、音の色彩感もちゃんと再現されていますが、個人的にはアナログ盤に刻まれた空気感、色彩感、弦楽器の力強さ、録音された年代をなんとなく感じる、そんな時代性も併せ持っており、そして何よりも ” 音に厚みのある点 ” でアナログ盤の方が私は好きです。カートリッジの世界では、私が使っている ” オルトフォンMC-20など安い方で、(アナログに詳しい方ならご存知でしょうが、数十万円もするカートリッジもあります)ですが、それでもアナログ盤の音はしっかりと感じることができます。アナログ盤のレコード番号は東芝EMI、レコード番号はEAC-80090、CD盤の番号はTOCE-59174になります。