チャイコフスキー「交響曲 第4番 ヘ短調」、「マンフレッド交響曲」のアナログ盤を前回のブログでご紹介しました。チャイコフスキー・第4番のアナログ盤のレーベルはアメリカ合衆国オハイオ州クリーブランドで設立された「TELARC(テラーク」です。テラークの録音センスは個人的に大変気に入っていて、CD盤も数種類持っていますが、全てが素晴らしい録音ではないのが残念です。チャイコフスキー・第4番のCDも所有していますが、大太鼓の音の出方がアナログ盤に比べて少し抑えられているのが残念です。アナログ盤から聴ける低域に比べると、CD盤の音は綺麗なのですが、低域の迫力がちょっと足りないという気がします。それでも、私が所有しているテラークのCD盤の中では大太鼓の出方がそこそこ素晴らしいもの2枚をご紹介いたします。
まず1枚目からですが、イギリスの作曲家ホルストの ” 惑星 ”です。アンドレ・プレヴィン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ブライトン祝祭合唱団(女声)が素晴らしい演奏、合唱を残しています。迫力でぐいぐい押しまくる演奏ではありませんが、この管弦楽曲の神秘性を高いレベルで表現したプレヴィン氏のセンスというかこの楽曲に対する解釈が深いのです。テラーク録音独特の”音”に浸る幸せを感じます。この管弦楽曲で有名なCD盤といえばドイツグラムフォン・レーベルのジェイムズ・レヴァイン指揮シカゴ交響楽団のものが有名です。録音の素晴らしさもさることながら、シカゴ交響楽団の実力をまざまざと見せつけられる演奏です。オーディオ的にはレヴァイン盤がふさわしいとは思いますが、私はこのプレヴィン盤の”解釈の深さ”を感じながら音にひたりたいのです。1986年4月にイギリス・ロンドンのワトフォード・タウン・ホールでデジタル録音されました。
2枚目は、同じアンドレ・プレヴィン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団によるプロコフィエフ「ピーターと狼」です。朗読はアンドレ・プレヴィン自ら語っています。この楽曲は私が小学校の時に音楽の授業で聴いたのが最初の出会いでした。このメロディ(ピーターのテーマ)を聴くとすぐに小さい頃にタイムスリップできます。ソ連が生んだ大作曲家であるプロフィエフが1936年に作曲した、子供のためのオーケストラ入門用に書かれた音楽物語みたいです。大人が聴いても心躍る楽しい楽曲です。旧ソ連なので今世界から猛烈な批判を集めているロシアですが、旧ソ連生まれのプロコフィエフにしたらいい迷惑という気はします。とはいえこの”ピーターと狼”や、”ピアノ協奏曲 第1番”、”交響曲 第5番/古典”なんかを聴けばやはり天才というしかありません。”惑星”と同じくテラークの録音センスが素晴らしく、特に弦楽器の美しい響きは特筆に値します。また、録音したホールも”惑星”と同じロンドン・ワトフォード・タウン・ホールでデジタル録音されています。