サイモン・ラトル指揮、バーミンガム市交響楽団演奏のマーラーの交響曲は、一時期立て続けにCD盤を購入した時期がありまして、その中に「大地の歌」も入っていたことを忘れておりました。10月2日にアップしたブログには、クレエンペラー盤、シノーポリ盤、ワルター盤をご紹介しましたが、大事なラトル盤のことをすっかり失念していました。ということでラトル盤ですが、まず録音が素晴らしいのでオーディオ的にも満足できる音質です。英国中部コヴェントリーに1965年に設立された比較的新しい公立大学、ウォーリック大学アーツセンター・バターワースホールにて1995年12月に録音されたものです。ネットで調べてみましたが、新しい割に優秀な総合大学で、付属のホールもかなり立派なようです。そうゆうホールならではの残響音と低域の出方(コントラバス等)が気持ち良い非常に素晴らしい録音になっています。レーベルはEMI CLASSICS、CD番号はTOCE-55490、デジタルレコーディングと表記されていて、リマスター・エンジニアにはYoshio Okazakiとあります。日本人の方みたいでなんだか嬉しいです。
このCD盤を聴くと、マーラーの交響曲に限らないとは思いますが、バーミンガム市交響楽団の演奏技術は回を重ねるごとに完成度が上がってきている(偉そうですいません)と感じます。サイモン・ラトル氏によって楽団員の技術が磨かれたのでしょうかね。このラトル盤について他の指揮者の盤とは違う点を挙げますと、男声(テノールとか)と女声(アルトとかメゾ・ソプラノとか)が各楽章ごとに交互に歌うパターンですが、ラトル盤は男声(テノールとバリトン)が交互に歌う構成になっています。ラトル氏がそうしたいからでしょうけれど、私としては男声と女声が交互に歌う方が表現とか声質の違いが出ていいのではと思いますが。
まあそれはさておき、本間ひろむ氏著「指揮者の名盤・50人のマエストロを聴く/平凡社新書」からサイモン・ラトル氏のページから引用させていただきます。” 21世紀前半のクラシック音楽の勢力地図を考えたとき、中心になる指揮者はサイモン・ラトルとワレリー・ゲルギエフの2人である。” と書かれていますが、ロシア人のゲルギエフ氏はウクライナに進攻したプーチン大統領を ” 熱烈に支持? ” しているとんでもない人のようなので、西側のレコードレーベルからはCD盤の録音、販売は出来ないと思われるます。これからはゲルギエフ氏のCD盤を聴く事はないであろうと。最期にサイモン・ラトル氏は2002年からベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に就任されていますが、私としてはバーミンガム市交響楽団の方々との演奏を続けて欲しかったなあと。