このところブラームスにはまっておりまして。前回の「ハンガリー舞曲集」の次にご紹介するのは、3大ヴァイオリン協奏曲の一つと言われるブラームス作曲「ヴァイオリン協奏曲」であります。メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキーにベートーヴェンを加えた4大協奏曲と紹介されることもあります。個人的には過去一番聴いたのはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で韓国人ヴァイオリニスト、チョン・キョンファさんのCD盤から聴けるのは清々しい演奏というか、また奥義を極めたような真摯な演奏に大変好感をもちました。
今回の演奏はヒラリー・ハーンというアメリカ合衆国ヴァージニア州ボルチモア出身のドイツ系アメリカ人のヴァイオリニストで、今最も輝いているのではとこのCD盤を聴いて私が感じている方であります。指揮はイギリス生まれのネヴィル・マリナー氏、演奏はアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズとなっています。ネヴィル・マリナー氏はヴァイオリン奏者だったこともあり、弦楽合奏曲に深い思い入れがあるようで、ヒラリー・ハーンさん奏でるヴァイオリンをしっかりサポートされていて大変好感が持てます。
さて、ブラームス「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品77」であります。この作品は友人のハンガリー人ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムとの共同作業によって生まれたようですが、ヨアヒムの提案を無視することも多かったとライナーには書いてあります。まあ、いろいろあって初演を迎えたにも拘らず、2人は満足せず、書き直し作業を経てヨアヒムがウィーンで改訂版を演奏すると圧倒的な成功を収めたとのこと。ブラームスという作曲家は完璧主義の方だったのですね。しかしその後風向きが変わります。ベルリンの批評家やスペインの作曲家、ヴァイオリン奏者サラサーテは作曲家として気にいらない箇所がありこの協奏曲を弾く気にならない等・・かなり辛辣な言葉を浴びせられたようですが、ブラームスの死後この協奏曲の評価は高くなり、いろいろなヴァイオリニストが取り上げることになったとのこと。レーベルはSONY Clssical、CD番号はSICC 40246です。
私の個人的な意見などどうでもいいことですが、このブラームスのヴァイオリン協奏曲は私の内面に激しく迫ってくるものがあります。完成度が非常に高く、またオーケストレーションの巧みさはやはりブラームスならではだと。作品をアップデートしてゆく作業はとても根気がいるのと、やはり最終的な曲の仕上がりをイメージできるセンスが必要です。偉そうですみません。ヒラリー・ハーンさんが演奏するこの協奏曲はとにかく叙情性が豊かで技術的な面でも聴く人に感動をもたらしてくれる素晴らしい演奏であることは疑いの余地はありません。録音はロンドン、Studios/Lyndhurst Hall、2001年となっています。
なお、このCD盤にはメンデルスゾーン作曲の「ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64」も収められています。一般的には一番有名なヴァイオリン協奏曲でしょうけれど、正直私はあまり聴きません。素晴らしい協奏曲だと思いますが、何故か私の心の内に響かないのです。とはいえ、ヒラリー・ハーンさんのちょっと哀しいようなヴァイオリン、オーケストラのオスロ・フィルハーモニーの響きに救われます。ただ、オスロでの録音会場の響きが私には不満です。もう少し残響音が欲しいのです。2002年ノルウェー、オスロでの録音です。






