モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」を聴きながら宗教画を観ると・・・

西洋美術史において、イエス・キリスト及びキリスト教をテーマにした絵画の多さには驚くべきものがあります。わが日本にも仏教をテーマにした絵画、彫刻等多く存在していますが、西洋キリスト教関係のものに較べると比較になりません。最も、西洋史をキリスト教の歴史と置き換えても不思議ではないと、ある美術史の先生も仰っておりました。西洋史、あるいは西洋音楽史をこのブログで述べるつもりはありません。テーマが大きすぎます。

J.S.バッハをこよなく愛する一音楽ファンに過ぎない私ですが、J.S.バッハを通していろいろな作曲家を知ることができました。クラウディオ・モンテヴェルディもその一人です。代表作?である「聖母マリアの夕べの祈り」はグレゴリオ聖歌の序奏から始まる壮大な曲です。このCDの説明文で述べられている近藤憲一氏の表現によると”全体は新しい時代のさまざまなスタイルが総合され、力強く創造的な精神に富んだモンテヴェルディの多種多様な書法によって、万華鏡を覗き見るような音楽世界が展開される。”の文章が全てを物語っていると思います。例えばルネサンス時代の絵画を見ながら、想像力を駆使してこの大作を聴くと新たな発見もあるかもしれません。

指揮者のアンドルー・パロット氏は1947年生まれのイギリスの古楽指揮者です。16世紀〜17世紀の音楽と演奏解釈を研究、1973年にタヴァナー・コンソート(合唱)とオリジナル楽器使用のタヴァナー・プレイヤーズを組織し、芸術監督としてルネサンスからバロック時代の音楽を歴史的な検証と時代様式にかなった演奏で聴かせているとのことです。なお、このCD盤にはソプラノ歌手のエマ・カークビーさん、テノールのナイジェル・ロジャースさん、タヴァナー合唱団、演奏はタヴァナー・コンソート&プレイヤーズ等が参加されています。録音されたのはロンドンとのことなのでEMIスタジオでしょうかね?1982年、1983年、1984年にかけて録音されているようです。CDレーベルはEMI、CD番号はTOCE16282-83、限定盤2枚組で¥1.980でした。音質も大変良く、ライナーには”新着マスター音源使用”の文字もあります。CD2には「倫理的・宗教的な森(抜粋)」という作品が収録されており、こちらも実に多彩な楽曲が含まれていて、味わい深い演奏になっています。